みんなのN響アワー|NHK交響楽団
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#3 香りと音楽。それはいずれも、 “イメージ”からはじまる。
「香水の部屋」にお邪魔して音楽と並び、ファビオ・ルイージ氏が深い愛情と熱意を注ぐ分野に「香水」がある。氏のお住まい、チューリヒ湖を望む古い館の一角にしつらえられた「香水の部屋」に一歩足を踏み入れると、そこはまるで化学のラボラトリーのような眺め。壁一面の棚に大小様々のフラスコが並び、フックにはお医者さんのような白衣がかかっている。そして窓際のテーブルにはFL PARFUMSの名を冠した自作の香水のデ
もっとみる#1 楽器のサイズは違えど、演奏時の思いは同じ。
低音、高音だからこそ、全体の調和を大切に。──お二人は普段、交流がある方ですか?
中村淳二(以下、中村):実は家が近いんですよね。N響メンバーの中で一番近所なんですよ(笑)。
池田幸広(以下、池田):車で5分くらいの距離。電車でも、わりとすぐのところに住んでいるから「飲みに行こうよ」なんて話をしていたんですけど、コロナ禍になってしまったので、いまだ実現していなくて。年の差は10歳くらい? 特に
#2 R=Rule コンサートを自由に楽しむためのルール。
ドレスでも、和服でも、もちろん普段着でも。
クラシックのコンサートと聞くと、フォーマルな場所というイメージを持つ方もいるかもしれません。でも、通常のコンサートの場合「ドレスコード」などは特にありません。スニーカーやTシャツ、ジーンズなどのカジュアルなスタイルでも大丈夫です。着慣れた服装の方が、リラックスして音楽に集中できますよ。
N響公演のお客様を見ていると、やや綺麗目なカジュアルの方が多い印
#2 文化に避難所を求めた時代—マーラーをめぐるウィーン文化。|柏木博
世紀末ウィーン現在では、作曲家として名高いグスタフ・マーラー(1860-1910)が指揮者としてウィーン宮廷歌劇場(現ウィーン国立歌劇場)の芸術監督に就任したのは、1897年のこと。翌年にはウィーン・フィルの指揮者にも就任し、世紀末、世紀転換期の「音楽の都」に主導的存在として君臨しました。
ウィーンは、音楽のみならず美術あるいは思想の領域でも、華やかな表現を生み出しました。世紀末ウィーンの精神史