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教えて、指揮者のみなさん。

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名演が生まれる瞬間、ステージの中央に立ち全身を使ってタクトを振るうのが指揮者です。この連載では、N響にゆかりのある世界的な3人の指揮者が登場し、その仕事の裏側や醍醐味、そして彼ら… もっと読む
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#1 パーヴォ・ヤルヴィ(N響名誉指揮者)|「これからの音楽家に必要なのは、変化とアイディアである」

<質問したミュージシャン> <答えた指揮者> Question1 Answer1 音楽家を目指すきっかけは人それぞれですが、私の場合、家族の影響が強いように思います。音楽一家に生まれ、母のお腹の中にいる時から音楽を聴いていたので、クラシック音楽は、赤ちゃんが言葉を習得するように、ごく自然に自分のものとなりました。特に、音楽に強い情熱を注ぐ指揮者の父ネーメ・ヤルヴィ(*1)は、私が小さな頃からオーケストラのリハーサルに連れて行ってくれて、音楽を聴きながら今どんなことが起

#2 ブロムシュテット(N響桂冠名誉指揮者)|「互いを尊重し合うことが、オーケストラという奇跡を生むのだ」

名演が生まれる瞬間、ステージの中央に立ち全身を使ってタクトを振るうのが指揮者です。この連載では、N響にゆかりのある世界的な3人の指揮者が登場し、その仕事の裏側や醍醐味、そして彼ら一人ひとりが愛を注ぐクラシック音楽の魅力について、ポップミュージックを中心にジャンルを超えて活躍する音楽家たちから集めた5つの質問をもとに紐解いていきます。                  □ 第2回となる今回は、1986年よりN響の名誉指揮者、2016年より桂冠名誉指揮者を務めているマエストロ、ヘ

#3 ファビオ・ルイージ(N響首席指揮者)|「音楽は演奏されるその瞬間だけ命が宿るのです」

<質問したミュージシャンと答えた指揮者> Question1 Answer1 ピアニストとして研鑽を積んだ後、はじめたのは歌い手へのコレペティトゥア(ボーカルコーチ)としての仕事を開始。当時から生まれ故郷のイタリア、ジェノヴァのオーケストラをよく聴いていました。間もなく、歌とオペラ、そしてオーケストラの奏でる音楽へ情熱を抱くようになり、指揮を勉強し始めました。転機は、故郷のジェノヴァでオーケストラの演奏会を指揮していたマエストロ、ミラン・ホルヴァート(*1)に出会ったこ