みんなのN響アワー|NHK交響楽団
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「100回目(?)のN響は、人の心を動かす姿勢を教えてくれた」|山本憲資さん(Sumally Founder & CEO)
永い時間をかけて、一流の音楽家たちが紡いできたもの。10年ほど前、30代に差し掛かったあたりから、クラシックのコンサートによく足を運ぶようになりました。それまでも時々は行ってはいたのですが「なんだかすごいな」と感じる程度でした。いつからかあらかじめ曲目を予習してから現地に行くようになり、よりクラシック音楽を愉しめるようになったんです。今では、多い時は週に複数回コンサートに足を運ぶことも。N響だけで
もっとみるN響が渋谷に帰ってくる。|かの香織
あらゆる文化が芽吹きつづける街。
そのカルチャーを育む人々のぬくもり。時は1970年代。一面に広がる農地に降り積もった雪。小さな東北の町の土蔵の酒蔵(*1)。築200年くらいは経っているのだろう。生まれた家だというのによくわからない。忘れられない厳冬。吐く息は白く、銀鼠色の空高くに響く白鳥の声。そんな自然音だらけの江戸時代さながらの暮らし。納屋に転がっていた古ぼけたスピーカーを休憩中の酒蔵のおじさ
#3 管楽器と弦楽器は、同志だ。
チェロもホルンも、つまるところは体力勝負。勝俣泰(以下、勝俣):僕ら、普段はあまり接点はありませんね。だから今日は楽しみにしてきたんです。
藤村俊介(以下、藤村):弦楽器と金管楽器は、練習でも演奏中でも位置が離れていますから。
──楽器の違いについて伺いたいのですが、普段の手入れの仕方や、演奏するまでのウォーミングアップなどもかなり異なるんでしょうか。
藤村:弦楽器はナーバスですね。湿気があ
#5 E=Ensemble 息遣いや気配を感じて奏でる。
<教えてくれた人>
そもそも「アンサンブル」とは何か?「アンサンブル」という言葉はフランス語で「一緒に」という意味です。「Tu veux qu'on dîne ensemble ?(一緒にご飯食べる?)」など日常的に使われており、音楽用語としては「一緒に音を出す」つまり「合奏する」という意味になります。
アンサンブルはメロディライン、それを支える低音パート、その中間で和声を決定する楽器たちによ
#4 H=History 挑戦を選び、進化してきたN響の歴史。
<教えてくれた人>
N響のはじまりは、今からおよそ100年前。私がN響に出会ったのは、実は小学校4年生の頃なんです。当時通っていた学校の講堂に「音楽鑑賞教室プログラム」の一環としてオーケストラがやってきたのですが、学区から推察するにそれがN響だった可能性が大きいんですよね。今となっては何を演奏したのか全く記憶にないのですが、そこで初めてオーケストラを生で聴いて「すごい!」と感動したことを覚えてい